奥河内・河内長野の農業と農村をまもる若獅子。

河端訓獅さん 大阪きゅうり

(かわばたさとし / Kawabata Farm)

  • 南河内
  • JA大阪南
  • 大阪きゅうり
  • トマト
  • なにわの伝統野菜

獅子を舞い、村を守る

農業は農村で行われる営みである。作物だけを生産しているわけではない。農村集落の環境や文化を守ることも重要な勤めだ。訓獅さんも若手ながら数多く、地域の役を担ってきた。

消防団の活動もその一つ。大阪農業に大ダメージを与えた台風21号では、自身のハウスも被災したが、まっさきに地区の防災活動に当たった。

訓獅さんが人一倍、地元を大切にする理由は? それは「日野獅子舞」にあった。「しし舞館も見てみます?」案内されたコミュニティセンターには獅子舞が飾られていた。一目瞭然、日野地区の獅子舞への熱さを感じる。

数百年も昔から伝えられてきたという日野獅子舞は、五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄、悪霊払いなどにご利益があるという。「六斎念仏獅子(ろくさいねんぶつしし)」と呼ばれ、河内長野市の無形重要文化財に指定されている。

自然の力に立ち向かう力強い頭捌きから「あばれ獅子」との異名を持ち、地区の青年により伝承されてきた。日野地区獅子舞保存会の副部長になった訓獅さんは、この歴史ある獅子舞を後世に受け継ぐため、人材育成に携わっている。

実は、訓獅さんには双子の兄弟がいる。二人一組、双子一組で行う獅子舞は村一番のコンビネーションと評判。日野獅子舞は毎年10月上旬に行われるとのこと、「ぜひお越しください!」と。

シシを狩り、獅子を舞い、会社勤めも知り、農業へ帰る。その動きは自由奔放に見えながら、安全安心を突き詰め、伝統を詰め、日々の儲を詰めることを忘れない。多様さと先進さを兼ねて備える訓獅さんの姿に都市農業者の可能性を見た。

取材日 2018/11/9

記 事 福島征二

写 真 ミヤギナミエ

氏名 / ふりがな
河端訓獅 / かわばたさとし
生年
1982年生まれ(36歳)
農家歴
12年 / 2006年より就業
前職 / 出身校
自動車販売 / 関西福祉科学大学
組織名
Kawabata Farm
役職
代表
従業員
5~6人
主な生産作物
トマト、キュウリ、なにわの伝統野菜、ほか
耕地面積
1.2ha
JAエリア
JA大阪南
購入方法
直売所: 道の駅くろまろの郷、アグリかわちながの、葉菜の森、自宅横 : http://kuromaro.com/
スーパー: サンプラザ河内長野店, 三日市駅前店、百貨店: 阪急うめだ本店 : http://www.super-sunplaza.com/
<飲食店> 旬素材dining近咲暮 / イタリアン、など : http://www.konsakura.jp/

Kawabata Farm

大阪府河内長野市日野1085

1 2

この記事をシェアする