水は金剛山の恵み、土はたい肥から作る。

浅岡敬勝さん 大阪なす

(あさおかたかかつ / ファームライダース浅岡農園)

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野菜は作るんじゃなく育つ、農家はその手助け

「田んぼは四角い方がいいというでしょ。そら、四角い方が育てやすいかもしれないけれど、それは人間の都合でしょ」。敬勝さんは語る。「僕らが農業をしていられるのは、富田林はもともと、野菜が育ちやすい土地だから」。

敬勝さんは「野菜を作っている」のではなく「野菜が育つ手助け」をしているのだと言う。畑は、石川流域にある。金剛山を源とする豊富な栄養分とミネラルを含む金剛山水系である。敬勝さんは自然の恵みをそのまま生かした農業をしていくことが大事だと考えている。

「米も、めちゃめちゃうまいねん。こんな土地で農業やらな、もったいないで」。富田林を愛し、先祖が代々農業を営んできた場所で、野菜をもっと作りたい。将来的には農地をもっと拡げていきたい。敬勝さんは、そう考えている。

中堅が集まり、話せる場所が要る

家業としての農業は、自分が辞めない限り続けていける。要は、次へつながる農業をしていかなければだめだという強い思いがある。2015年には富田林の20代から50代の仲間で「富田林市の農業を創造する会」を結成した。生産者の中堅の年齢層が集まって相談したり話し合ったりする機会がなかったからだ。

会では「農業をはじめたい」という新規の就農希望者支援も行っている。「はじめの一歩村 *」の村外研修受け入れにも協力する。いつか農業をしてみたいと思っていても、仕事が忙しい、ツテがないなど、なかなか踏み出せないでいる人たちを後押しする活動だ。

* はじめの一歩村とは、新規就農希望者が地元農家やスタッフから農業指導を受ける研修プログラム。大阪府のとりくみ。

「自分でやってて楽しい農業にしたい。やってる本人が楽しくないとあかん。面白味もないとあかんしな。次の世代に、農業がしたいと言わせたい」。敬勝さんの言葉は熱い。農業を思い、後輩たちを大切にする優しさが、その眼差しからも伝わってきた。

取材日 2019/6/5

記 事 湯川真理子

写 真 柴田久子

氏名 / ふりがな
浅岡敬勝 / あさおかたかかつ
生年
1974年生まれ
農家歴
17年(2002年就農)
前職 / 出身校
サラリーマン
組織名
ファームライダース浅岡農園
役職
代表
従業員
本人、両親、従業員1名(パート10名)
主な生産作物
大阪なす、大阪きゅうり、米
耕地面積
1.3ヘクタール
特徴
自家製たい肥で土づくり、50年続く農家の三代目
理念
次の世代に残せる農業
JAエリア
JA大阪南

ファームライダース浅岡農園

大阪府富田林市

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