誰にもできんかった冬越しトマト栽培、三代目。

寺本豊さん トマト

(てらもとゆたか / 寺本農園)

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三代目の流儀と大阪エコ農産物の認証取得

平うね栽培、もみがら堆肥の施用などのトマトの栽培技術は、祖父から父、そして息子に引き継がれてきたが、三代目の豊さんならではの流儀もある。

「連作障害や病虫害のでない、安定した美味しいトマト栽培を目指したい」。京都府立大学農学部の学生時代には、低投入・低排出の環境に優しい養液栽培の研究をしていた豊さん。

いろいろな知識を活かしたこだわりの土づくりには、抗生物質や薬剤を与えずに育つサラブレッドの馬糞堆肥などを使用し、極力化学肥料は使用しない。土壌消毒には化学農薬を使用せず、太陽熱消毒やエタノールを活用することで、大阪府独自の特別栽培農産物である「大阪エコ農産物」の認証も取得している。

祖父の時代から培ってきた三箇牧トマト「光玉ブランド」での卸売市場出荷を続ける傍ら、仲卸や地元スーパーへの直接取引、直売所での販売も積極的に行い、時代に即した多様な流通チャネルを切り開いている。

背中が語る大阪農業の魅力

豊さんに大阪農業の魅力と今後の目標をたずねてみた。

「消費者が身近にいるところですね。口コミで買いにきてくださるお客さまに、採りたての新鮮な完熟トマトを直接販売できるのは、消費地が近いからこそできること。これからますます高齢化がすすみ、耕作放棄地が増えていきます。農業をすればするほど赤字になるようでは、誰も農業を続けられません。正当な対価が得られて、意欲的に楽しく取り組むことのできる農業を追求していきたいです」。

豊さんは、小学生の頃から「自分もトマト農家になる」と心に決めていた。「美味しいトマトをつくって、お客さんに喜んでもらっているときの、祖父や父の誇らしげな背中を見てきましたので」。

そう語る豊さんからは、きっと後ろから見たら誇らしげな背中にちがいないキラキラとしたオーラが漂っていた。

取材日 2018/8/22

記 事 中塚華奈

写 真 柴田久子

氏名 / ふりがな
寺本豊 / てらもとゆたか
生年
1984年生まれ
農家歴
12年(2007年より就業)
前職 / 出身校
新卒で就農 / 京都府立大学農学部
組織名
寺本農園
従業員
7人
主な生産作物
大玉トマト、ミニトマト
正式な品種名
玉三郎、ごほうび、みそら64など
耕地面積
ハウス59アール、露地20アール
特徴
50年以上もの栽培歴史があり、府内の冬越し大玉トマト栽培では最大規模の三箇牧トマトの生産農家。
理念
「誰もできんこと」をやり遂げる。トマトの何十年もの連作は難しかったが、先代達はやり遂げた。これからはそれを維持すると共に、猛暑の続く夏でも安定生産を目指す。
JAエリア
JAたかつき
購入方法
寺本農園直売所(茶色と白の建物) : https://www.teramotomato.jp/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
<飲食店> T's☆Diner / ハンバーガー : http://www.ts-star-diner.com/
<飲食店> 築斬 / 和食 : http://tikuzan.com
ホームページ
寺本農園 : https://www.teramotomato.jp
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寺本農園

大阪府高槻市唐崎南1-3-3

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