都市農業、挑戦の記録。

仲睦まじい新婚生産者

妻、紗織さんとの出会いは1年半前。「とりあえず、食事にでも行ってみたら？」。泉州水なす農家の北野忠清さんが、ふたりを引き合わせた。紗織さんは北野農園の従業員だった。『やるやん！大阪農業』で、忠清さんを紹介した記事で、隣に並んで写っていた女性である、驚きだ。

お互いの第一印象は「クールそう」(裕生さん)と、「独特で、不思議な人」(紗織さん)だったが、すぐに意気投合。裕生さんは「今まで女性と話すことが苦手だったんですが、妻とは話しが尽きなかった」とうれしそうに振り返る。

出会ったは2017年1月。付き合い始めたのが、同年4月。半年後の11月にはプロポーズ。トントン拍子に結婚が決まった。喧嘩は今まで一度もなし。

「お互いに自分の主張を貫くよりは、相手と相談しながら考えたいタイプなんです」と紗織さん。農園の表記を「角谷」か「すみや」、どちらにするかとの話し合いが目の前で繰り広げられた。「どっちがいいと思う？」「裕生さんが、好きな方にしたらどう？」溢れ出る仲睦まじい様子、これ以上の説明は不要だ。

松波キャベツの甘みがより一層増すのは、ぐんと寒くなる1月。どの生産者にも負けず、今期は「角谷農園の松波キャベツ」が飛び抜けて甘いと断言したい。

取材日　2018／12／7

記　事　川嶋亜樹

写　真　田村和成