世界最先端、オランダ式農業を大阪で実践。

丸山友規さん トウモロコシ

(まるやまとものり / ベジタブルファームマルヤマ)

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「ベジタブルファームマルヤマ」園主の丸山友規さん(37)は河南町の兼業農家に生まれ育った。大阪府立農芸高校、南九州大学園芸学部を卒業後、「北東の干拓地」という意味を持つオランダのノールドオーストポルダー市に農業研修生として渡った。

農業だけでなく、オランダ最大のチューリップ球根の生産地でもあるこの地では「オランダ式」とも呼ばれる巨大な農業ハウスをコンピューターによって制御し、農産物を育てている。その生産性は日本の数倍から十数倍を誇る。世界最先端といわれる土地で1年間、農業に従事した友規さんは大きな衝撃を受ける。

河南町で新規就農

オランダから帰国した友規さんは、知人農家での研修期間を経て、地元河南町で「ベジタブルファームマルヤマ」を立ち上げた。「道の駅かなん」がオープンして間もなくのことである。地域最若手の生産者として大きな期待を受けた船出だ。栽培面積も着々と増やし、トマトの周年栽培をはじめ、トウモロコシ、ニンニク、パプリカ、ズッキーニ、オクラ、アスパラ、お米など約20品目を生産する。

「道の駅かなん」のトップ生産者

いま人気の「道の駅」は休憩機能、情報発信機能、地域の連携機能を併せ持つ多機能パーキングである。北は北海道、南は沖縄まで全国に1145ヶ所、大阪には10ヶ所の道の駅がある。(H30.4現在)

平成15年に登録された「道の駅かなん」は、大阪市内から奈良、三重へと紀伊半島を横断する国道309号沿いにあり、大阪で4番目となる道の駅である。友規さんの主な販売先は「道の駅かなん」で、いまでは売上トップを誇る生産者となった。

直売所と地域の活性化を提案

「道の駅かなん」は、地元農産物のみの販売にこだわり消費者からの信頼を築き上げてきた老舗の道の駅だ。ただ、今では出荷者のほとんどが65歳以上となり、10年先を見据えると不安も大きい。

河南町の農業、農村の未来を見据えた友規さんは、地域農業の担い手育成をベジタブルファームマルヤマの重要課題に位置付けた。「道の駅かなん」を経営する「農事組合法人かなん」の理事にもなった。ここでも最若手の役員として大きな期待を受けている。

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