都市農業、挑戦の記録。

生産者であり料理人

正憲さんは、蓮根を生産しながら、蓮根料理専門店も切り盛りする料理人である。正憲さんの蓮根は、関西料理界では定評で、有名ホテル、料亭、割烹からの注文で大半は売れてしまうのだが、地元の方にも食べてもらいたいと、2009年に蓮根料理の店を開いた。店名は、ずばり「れんこん屋」。

人気の蓮根餅（はすねもち）は、蓮根の穴にもち米をしっかりと詰めて蒸したもの。地元では祝い事で振る舞われたという。また仏事では蓮根の白和えが出された。郷土料理をベースに店のメニューは全品、正憲さんのオリジナル。

サラダ、お好み焼き、ピザ、ステーキ、唐揚げ、天ぷら、饅頭、煮物、スイーツ、ご飯もの、鍋にまで、すべての料理に門真れんこんが使われている。「蓮根以外、使う気はない。やっぱり門真れんこんは、うまいで」。ごくりと喉を鳴らすほかない、究極の蓮根づくしだ。

オススメは、蓮根のいろいろな味が楽しめるコース料理とのこと。昼コース、夜コース、鍋コースとあるからぜひ一度食べてみて欲しい。ちなみに「れんこん屋」は毎年9月中旬から翌3月まで、旬の時期限定オープンで予約制の店。

「店をやると客が見える。蓮根作りは骨が折れるが、作り甲斐を感じる」。取材の合間も、予約の電話がかかってきていた。是非にという方は、早めに予約した方がよさそうだ。

取材日　2018／10／25

記　事　福島征二

写　真　ミヤギナミエ