都市農業、挑戦の記録。

一流レストラン御用達のベビーリーフミックス

中島さんのベビーリーフミックスは、スーパーやコンビニで見かけるのとは随分違う。よく見かけるベビーリーフのミックス内容は５種類もあればいいところだが、中島さんのミックスはなんと10種類。スイスチャードやフェンネル、ロシアンケールなど、通常では見たことがない珍しい野菜ばかりで、中にはヨーロッパから取り寄せ、タネから育てたものもあるという。

この希少性がこだわりの飲食店に人気の秘訣だ。もちろん味も追求している。北新地ダイビルの有名店カウンターフレンチ「キャトルラパン」の青木シェフにも毎度ご贔屓にしていただいているとのことだ。

大阪マルシェの人気店

中島さんの野菜はいわゆるＢtoＢ（企業間取引）が基本だが、毎週水曜日に淀屋橋ＯＤＯＮＡで開催される「大阪マルシェほんまもん」にて販売しており、一般購入可能だ。中島さんは、大阪マルシェが立ち上がった2010年頃から、ずっと出店を続けてくれている生産者さんの一人なのだ。

大阪マルシェでは中島さんの他にも、以前ご紹介したナカスジファームの野菜をはじめ、中島さんの農園からほど近い河内、泉州の農家仲間の野菜も取り扱っており、一般消費者に混じって、20店以上のシェフもその高い品質を目当てに直接買い付けに来る。中島さんの野菜は、髙島屋大阪店でも取り扱いがあるので、お近くにお越しの際には是非。

中島さんにこれからの抱負をたずねると「新しい品種に、次々挑戦していきたい」という。その前向きな姿勢と笑顔に、水耕農家らしい瑞々しさを感じた。

取材日　2018／6／16

記　事　福島征二

写　真　角下知剛