発酵、HACCP、鮮度保持。科学する農家6代目。

川﨑貴彦さん 泉州水なす

(かわさきたかひこ / 川﨑農園)

  • 泉南
  • JA大阪泉州
  • 泉州水なす

「美味しいものを作るのがプロ農家である」

川﨑農園の水なすはインターネット販売のほか、デパートでも販売されている。大阪なら阪急うめだ本店で購入可能だ。大丸東京店や三浦屋でも販売しているので東京の方にも是非味わってほしい。

貴彦さんは、収穫したままの鮮度を保って消費者に届けたいと、鮮度保持袋の使用も実証実験している。「美味しいものをつくって届ける、が生産者の当たり前でなければならない」と語る貴彦さんの農業は、幾多の分析と実験から生み出されており、その姿勢は、まさに「農業サイエンティスト」と呼ぶにふさわしい。

当然、関西の有名料理店からも高い評価を得ている。その中でも「料理屋植むら」とは長い付き合いだ。神戸・北野坂のミシュラン2つ星に輝くカウンター席のみの和食の店で、こだわりの食材と店主との会話が楽しいともっぱらの評判である。シーズンになると泉州水なすがアミューズとしてマリネやシンプルにお塩で提供されているという。「生産者が卸していて自慢できる料理人でありたい」という店主の心意気がなによりうれしいと言う。

「子どもと一緒にすごすのが楽しい」

貴彦さんは結婚を機に家業の農家を継いだ。その前はアパレル業界のサラリーマンとして、国内だけでなくアジア各地を飛びまわっていた。激務だったサラリーマン時代に比べ、農業は基本的に暗くなれば終業。会社員時代より早く帰れるようになった。一女一男にも恵まれ、保育園が休みの日には子どもたちを農園に連れてくる。「ヒヨコみたいに畑の後ろをついてくる」というから可愛い盛りだ。

川﨑家秘伝「つん辛漬け」

川﨑農園のネットショップでは、泉州水なすの生果と浅漬けなどが販売されている。合わせて人気の商品は「泉州水なすのコンフィチュール」と、秘伝のタレで漬け込んだ「つん辛漬け」。「つん辛漬け」は夏の暑い時期でもご飯がすすむ、川﨑家だけに伝わる水なすのお漬物だ。

加工場も清潔に保たれていた。加工場はHACCP認証を準備中という。川﨑農園の安全・安心に対する意識の高さに感服した。川﨑さんの農業に対する思いをたずねた。「経験則で営んでいる農家の“ふつう”に挑戦すること。常に新しい発見を見出していきたい」。農業サイエンティストのあくなき探究は、とどまるところをしらない。

取材日 2018/6/20

記 事 福島征二

写 真 ミヤギナミエ

氏名 / ふりがな
川﨑貴彦 / かわさきたかひこ
生年
1982年生まれ
農家歴
10年
組織名
川﨑農園
従業員
4人
主な生産作物
泉州水なす / 小松菜 / ホウレンソウ / サラダ水菜
特徴
微生物の力を活かした土づくり
理念
経験則で営んでいる農家の“ふつう”に挑戦する
JAエリア
JA大阪泉州
購入方法
川﨑農園オンラインストア : http://kawasakifarm.shop-pro.jp/
阪急うめだ本店 大阪産(もん)青果コーナー : http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/
<飲食店> 料理屋植むら / 日本料理 : http://www.ryouriya-uemura.com/
ホームページ
川﨑農園 : http://kawasakifarm.com/
SNS
Blog : http://kawasakifarm.com/diary

川﨑農園

大阪府貝塚市久保町394

1 2

この記事をシェアする