都市農業、挑戦の記録。

堺の玉葱すーぷ

裕貴さんが会長を務める堺4Hクラブは、市内の学校給食にタマネギを出荷している。年に2度、小学校を訪問して出張講座も行う。食育活動にも積極的だ。

堺4Hクラブの名前を有名にしたのは「堺の玉葱すーぷ」だ。それは、給食に出荷できない小ぶりな規格外タマネギの活用法としてとりくんだ6次産業化プロジェクトから生まれた。2015年に帝塚山学院大学の協力で玉葱スープを開発。2018年のJA大阪府大会では、組合員組織表彰「優秀賞」を受賞した。

スープでそのまま味わって良し。から揚げやオムライスの出汁にアレンジして良し。10袋入りで350円。農産物直売所「またきて菜(ハーベストの丘)」で購入できる。

堺を愛する若手のリーダーとして

堺4Hクラブのメンバーは25歳から42歳まで、24名。農繁期にはお互いの作業を手伝う。支え合いながら切磋琢磨できる良い仲間。週に3、4回は飲みに行くという。

新会長として「従来の活動を継承しつつ、より結束を深めていきたい」と意気込む。照れながら手にしたのはステッカー。カラフルな色合いと文字は裕貴さんが考えたものだ。メンバーに提案すると「ええやん！ かっこええ！」と即採用。それぞれの軽トラックに貼るのだという。

「堺の生産者は、堺を愛する者の集まり」と語る裕貴さん。ちょっとしたアイディアのひとつ一つにまで、堺への愛が溢れ出ていた。

取材日　2018／11／29

記　事　川嶋亜樹

写　真　柴田久子