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秘密基地のような、快適な作業場
収穫後、畑から車を20分走らせて、調整用の作業場に移動した。「作業場や冷蔵庫は、共同で使わせてもらっています。自宅も、すぐ近所の空き家を格安で貸してもらっています。自分ではなぜかわからないんですけど、いろいろとラッキーなことが重なって、とにかく有り難いです」。
きちんと整理整頓された永吉さんのセンスが光る作業所は、まるで秘密基地。音響やWi-Fiの設備も、DIYで完備されている。「好きな音楽やFMをガンガンかけて、時にはユーチューブで動画を楽しみながら、自分のペースで収穫してきたネギの調整作業をやっています」。
ネギの袋詰めは、簡易包装機「スットンパ」のおかげで、これまた楽々なのである。電源を入れて、専用の袋をセットすると、エアーが流れて袋が開き、上からネギを入れるだけで簡単に袋詰めが完了する。手作業に比べて3倍以上の処理能力があるスグレモノだ。
「スットンパも中古で手にいれることができたんです。ラッキーでしょ」と満面の笑み。次々とラッキーを引きよせる永吉さんの作業場には仕事帰りの仲間も引きよせられ、一緒に缶ビールで乾杯なんてことがしばしばあるという。
都市農業に、スキマあり
「一人になりましたしね、ぼちぼち生きていけたらええかなと思っています。ここぞという時、やらなあかん時はガァっと一気にやりますけど。たった一度の人生ですので、1に遊び、仕事は3番目くらいでやっていきたいと思っています(笑)。遊びの中味ですか? 時間ができたらゴルフに行きたいですね」。
耕す畑、農機具、栽培に関するノウハウも何もないゼロからのスタートで農業の世界に飛び込んだ永吉さん。とりたてて借金をすることもなく、点在する借地で専業農家としてどこまでやっていけるのか、チャレンジしてみたいとの熱い想いがあるという。
「今の都市農業が抱えているスキマをついていくつもりです。高齢で後継者もいなくて、自分ではもう草取りすらようせぇへん、という方が結構おられるんです。そして、こちらが農業をさせてくださいってお願いすると、有難うと感謝してもらえるんですよね。こんな幸せなことがあるでしょうか」。
こちらが感謝しているのに、逆に感謝されるという幸せ。愉快に楽しくやるための努力は惜しまない。永吉さんの新しい人生のステージには、仲間や地域の人との間に、お互いを必要としあう素敵な関係が溢れている。
取材日 2019年3月12日
記事 中塚華奈
写真 柴田久子
- 氏名 / ふりがな
- 永吉智宏 / ながよしともひろ
- 生年
- 1975年生まれ(43歳)
- 農家歴
- 7年 / 2012年より就業
- 前職 / 出身校
- バスやトレーラーのドライバー / 鳳高校
- 組織名
- 永吉農園
- 役職
- 代表
- 従業員
- ご本人
- 主な生産作物
- 青ネギ、ブロッコリー、コマツナ
- 正式な品種名
- 冬彦(青ネギ)
- 耕地面積
- ハウス10アール、畑40アール
- 特徴
- 耕せなくなった人の農地を耕す
- 理念
- 省力化して無理せずエンジョイする
- JAエリア
- JA堺市
- 購入方法
-
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大阪南部合同青果
永吉農園
大阪府堺市中区