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岸和田市東部の包近町で葉物野菜を生産している松本農園。桃、みかんの産地として知られる包近で、20年ほど前に父の松本利夫さん(72)が生産の主力を葉物野菜に切り替えた。それが泉南エリア有数の生産者に発展したきっかけだった。
一人娘の松本朋子さん(36)はその跡継ぎ。農業を身近に感じて育ち、近畿大学農学部を卒業して、お花屋さんでのフラワーアレンジメントや生花市場での勤務、広島県の花と野菜のポット苗生産農家での修業を経て、2013年に家業を継いだ。
菜っぱ いろいろ
小松菜、しろ菜、水菜、菊菜、ほうれん草、ワサビ菜、空芯菜、スイスチャードなど葉物野菜の種まき時期を少しずつずらしながら周年出荷する松本農園。次に収穫を待つのは、ふさふさと大きく育ったワサビ菜だ。
ワサビ菜はアブラナ科からし菜の仲間で、ピリッとした辛味で人気急上昇の野菜である。とくに飲食店に好まれ、出荷先の直売所では大量に購入されている。サラダはもちろんのことサンドイッチの具材に使われたり、レタスやチシャ菜の代わりにお肉と一緒に食べてもアクセントが効いて美味い。
ハウス栽培といえども悩まされるのが虫害である。アブラムシにヨトウムシ、ハモグリバエにアザミウマなどたくさんの外敵に脅かされるが松本農園では、安心安全の取り組みを重視し、農薬散布だけに頼らず電撃殺虫機やキラキラテープも駆使して虫対策をしている。
師匠はお父さん
岸和田市包近町に帰ってからは、農業歴50年以上の利夫さんが先生だ。「跡継ぎができていかがですか?」の問いに「ほっとした。」と安堵の利夫さん。生産についての悩みや相談を受けることも多いが、「年々うまくなるから大丈夫」と朋子さんに優しい言葉をかけている。
農作業の合間に一緒に食べようと育てているスイカの収穫はもう少し先。愛情あふれる親子だ。
袋詰めからいよいよ出荷
日の出とともに朝採りされた葉物野菜やラディッシュが水洗いされて袋詰めされる。テキパキと手慣れたスタッフのみなさんは岸和田市内やお隣の忠岡町からお勤めとのこと。機能的で段取りがいいというか、流れるような一連の作業が、見ていて美しい。和気あいあいとした松本農園は、地域の働く場として人気が高い。各販路へと運ばれるトラックの出入りも多く、とても活気ある農園だ。
松本農園のお野菜は、農産物直売所の近隣のイオンやスーパー万代、オークワ、コープなどで購入可能である。イトーヨーカドーアリオ鳳店のお弁当、惣菜「咲菜」でも使用されているのでこちらにも是非。