大阪のてっぺんで有機の道をゆく。

原田富生さん 米

(はらだとみお / 株式会社原田ふぁーむ)

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有機宅配の有力出荷者へ

当時、産消提携で回った西宮のオーガニック食品店、ここで知り合ったのがお連れ合いの玲子さんである。

玲子さんを一目で見初めた富生さんは、西宮へ配達のたびにアタック、そしてプロポーズして能勢に連れ帰った。玲子さんとの間には三人のお子さんが生まれ、今はお二人のお孫さんにも恵まれている。産消提携先の有機野菜大手宅配先が事業を拡大するに合わせ、原田ふぁーむの生産面積も増加し、今では有機宅配のなかでも有力出荷者にまで成長した。

若手の育成に邁進

農産物の輸出が注目されているが、国内の食料自給率はカロリーベースで40%にも満たない。大阪はなんと1%台だ。この現状に、富生さんは、「食べるもんは、やはり足元で作らなあかん」と熱く語る。

能勢町で長らく大阪農業を牽引してきた富生さんの危機感は強い。その危機感が、多くの若手農業者を受け入れ、続け甲斐のある農業を熱く指導する原動力となっているのだ。原田ふぁーむでの修業を経て独立した農家も数多い。新規就農者の増加に伴って、能勢町では長らく活動を休止していた青年農業者クラブ(4Hクラブ)も実に30年ぶりに復活し、富生さんは顧問に就任した。

若手の育成だけでではない。原田家においても、富生さんの次女夫妻が、原田ふぁーむの跡継ぎとなるべく、日々頑張っている。「どんなに時代が進んでも、自分の口へ運ぶものは、自分の足元で作らなあかん。」能勢農業の未来は明るい。

秋鹿山田錦栽培会

能勢町の名品といえば、「秋鹿」を思い浮かべる方も多いだろう。原田ふぁーむのある歌垣地区内には、自営田の米作りから酒造りまで一貫しておこなうシャトー型の酒蔵として有名な日本酒の名門、秋鹿酒造がある。

富生さんは、秋鹿酒造の全量純米酒生産の米作りを支える「秋鹿山田錦栽培会」に、メンバーとして所属している。原田ふぁーむ全9ヘクタールのうち、1ヘクタールを秋鹿酒造の契約田にして山田錦を栽培しているのだ。富生さんの高い技術と地元愛は、農業生産を超えて深く地元に根付いている。

日本酒「秋鹿」をはじめ原田ふぁーむのコシヒカリは大阪市中央区「高麗橋桜花」で味わうことができる。

また「大阪食文化研究所」を主宰する店主の森田さんは、大阪農業を支える料理人として有名。大阪産のいろいろな食材が生かされた日本料理を食べたいならここをオススメする。

取材日 2018/6/22

記 事 福島征二

写 真 ミヤギナミエ

氏名 / ふりがな
原田富生 / はらだとみお
生年
1954年生まれ
前職 / 出身校
大阪農業短期大学
組織名
株式会社原田ふぁーむ
特徴
若手農業者の育成に力を入れている
JAエリア
JA大阪北部
購入方法
有機野菜の宅配大手ビオマーケット : https://biomarche.jp/company
SNS
Facebook : https://www.facebook.com/organicharadafarm/

株式会社原田ふぁーむ

大阪府豊能郡能勢町倉垣475

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