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目指すのは、ワクワクできる農業
信宏さんの畑には、一年中何かしら農産物が植えられている。取引のある飲食店のシェフからは「なんかおもしろい野菜あるぅ?」という問合せの電話がかかってくる。いろんなものを手がけているから、所属する部会も、いちご部会、なす部会、みかん部会に産直部会、伝統野菜部会と多い。「何でもつくります。珍しい野菜を、ちょこっと試しに植えるのも、楽しいんです」。
畑の一角には、昨年のこぼれ種から芽吹いたアイスプラントが元気よく育っていた。そういえば、さきほど直売所にも並んでいた。自家農園の直売所だから、1袋から店頭に出せる。
今年から作付けを開始したのは、独特のぬめりが美味しいなにわの伝統野菜「難波ねぎ」だ。一説では、鴨肉とネギを使用した「鴨なんば」の名称の由来になったねぎだと言われている。
5連棟の大きなハウスではいちごを育てている。品種は「もういっこ」。道の駅「奥河内くろまろの郷」では、「奥河内いちごフェスタ」(1~4月中旬まで)を開催している。南農園のいちごが七種の苺商品(苺タルト、苺タルトレット、苺カルピス、苺ソフト、苺クリームパン、苺パイ、苺ショート)になって販売されている。
地域活性化交流拠点とのコラボが実現したのは、信宏さんの人柄と営業力の賜物。長年の取り組みは功をなして、信宏さんは2017年度「なにわ農業賞」を受賞した。受賞は、しかしゴールではない。ここからどう面白くしていくか、日々構想中とのことで、今後の目標をたずねてみた。
「家族経営の良いところを活かして、交替で休みがとれるようにしたい。いちご狩りも始めたいし、顧客と一緒にいちご大福やコンフィチュールなどをつくるイベントも開催したい。うちの農産物をツールにして、たくさんの人が、いい笑顔になってつながってくれると嬉しい」。
「もしも、農業をやりたいという子がいたら、その子に農業なんてやめとけとしか言えないような、カッコ悪くてしんどい農業はしたくない」と熱く語る信宏さん。「消費地が近い大阪農業は、やろうと思えば自分でなんとかやっていくことができる。農業って実は面白くて、ちゃんとやったら儲かるし、希望も持てる。そんな見本になるようなエネルギーあふれる農家が、大阪にはたくさんおられるんですよ」と、続けた。
畑の一角にある生産者直営の直売所を拠点としたワクワク感あふれる農業経営。なんだか他人事のように語っておられたが、信宏さんも、その見本となる農家のお一人であることは間違いない。
取材日 2019/1/29
記 事 中塚華奈
写 真 柴田久子
- 氏名 / ふりがな
- 南信宏 / みなみのぶひろ
- 生年
- 1975年生まれ(44歳)
- 農家歴
- 17年(2003年より就業)
- 前職 / 出身校
- 電気工事関連業 / 大阪電子専門学校
- 組織名
- 南農園
- 役職
- 代表
- 従業員
- ご両親+ご本人+従業員さん1人、パートさん2人
- 主な生産作物
- イチゴ、ナス、キュウリ、ミカン、米、難波ネギなど年間50品目
- 正式な品種名
- もういっこ、恋みのり(イチゴ)
- 耕地面積
- 田畑2ヘクタール、果樹園30アール
- 特徴
- 朝採りのこだわり野菜・果物の生産から販売まで
- 理念
- お客さまとのふれあいを大事にし、魅力ある面白い農業を実践する
- JAエリア
- JA大阪南
- 購入方法
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南さんちのやさい・くだもの(直売所) : https://www.facebook.com/minamisanchi/
生鮮市場richばんばん : https://kfarmers.jp/ad/
<飲食店> ボーノボーノ(Buono2) / イタリアン : https://fortyfour.jp/buono2/
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南農園
大阪府富田林市佐備