大阪といえばナス、をめざして10種の大阪なすづくり。

中筋秀樹さん 大阪なす

(なかすじひでき / ナカスジファーム)

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LINEを活かした農業経営

スタッフは生産部、販売部、総務部それぞれに配属され、さらに枝分かれして個別に担当が与えられている。おもしろい取り組みの一つがLINEの活用。秀樹さんはスタッフや取引先とのやり取りを何十ものLINEグループを駆使して行っている。今風といえばそれまでだが、グループ間でリアルに文字でやり取りすることで明確な情報共有が行われミスを予防できるという。進化し続けるスマホの機能を最大に活かすことで、電話でのやり取りを極力減らし、秀樹さんの機動力がさらに上がっているようだ。

つぎは法人化を控え、これに合わせて労使ともに明確な評価方法をつくりたいとGAPの導入にも取り組みはじめている。これもスタッフが中心になって進めているというから感服。地域的にも時代的にも、農業者が減っているいま、農業者の確保が先決だと思っている。ナカスジファームでは実際独立支援をしており、3年前にはスタッフがネギ農家として独立した。

ナカスジファームでの実際の独立支援としては、
・農地を借りる際は保証人となるなどして地主さんから土地を借りられるようサポート
・作業場やトラクターなどすぐには自らで用意できないものに関しては時間貸しにする
・流通や取引先に関してもナカスジファームから繋げてあげる
自らの蓄えを持った上で実際に独立できるようハードルも設けながら支援をしている。

ただ独立してさようならではなく、将来的には近場で独立してもらいグループとして様々な栽培品目を売れるようになればと思っている。大阪で新規就農するならナカスジファームといわれるような位置づけになればと思う。それはナカスジファームの理念にも沿っているから。

まるでナスの植物園

ナカスジファームでは大阪なすを含めて全10種類のナスを生産している。鮮やかなムラサキ色、真っ白、長〜いの、ゼブラなど、普段なかなか見ることができない多種多彩なナスが育てられている。そのハウスはナスの植物園に来たかのような感動を与えてくれた。ナスのことならナカスジファームに聞けと、ナスの専門農家としての知名度も上がり、取引は絶好調。

イベントなどでの直売は少量だ、基本はスーパーや百貨店販売の「BtoB」であるが、店頭ではナカスジファームを明記して販売している。消費者に自分たちのナスを喜んでもらいたいと、秀樹さん自身がスーパーや百貨店の売り場に立つことも頻繁だ。

ナスを大阪のイメージにしたい

和歌山・愛媛はみかん、岡山・山梨はぶどう・桃といった、名産についての都道府県のイメージがあるように、秀樹さんは「ナスといえば大阪」といわれるナスの大産地をつくる夢を抱いている。

秀樹さんは「大阪なす」の生産者仲間だけでなく、「泉州水なす」や「鳥飼なす」など、府内各地のナス生産者とタッグを組んで、「大阪といえばナス」のイメージを盛り上げたいと語るが、その実現もさほど遠くはないのではないか。そう感じるほどの熱意だ。

儲け度外視のバーベキュー場をオープン

「(ナカスジファームの)ナスはどこで食べられるの?」という声も多く、昨年4月に農園内にBBQ場をオープンした。摘み採り体験もできて、鮮度抜群の10種類のナスを一度に食べられるところは私の知るところではここだけだ。

何十人も入れる空間に1日2組しか受け付けないというからなんともリッチ。テーブルにはこのあと来られるお客さん用にナスが盛り合わされていた。今度来るときは「焼きナスと生ビールで乾杯」そう誓って帰路につくことにした。

取材日 2018/5/29

記 事 福島征二

写 真 角下知剛

氏名 / ふりがな
中筋秀樹 / なかすじひでき
生年
1976年生まれ
農家歴
1996年4月より就業
組織名
ナカスジファーム
役職
代表
従業員
37人
主な生産作物
大阪なす / きゅうり / その他野菜
特徴
37人体制という大規模な個人農家
理念
【農】を志す我々が農業のあるべき姿を創造する
JAエリア
JA大阪南
購入方法
直売所 あすかてくるで羽曳野店 : http://www.jaom.or.jp/asukatekurude/habikino
ナカスジファームオンラインストア : http://www14.plala.or.jp/nakasuji_farm/
【食べる】Buono2 / イタリアン : https://fortyfour.jp/buono2/
ホームページ
ナカスジファーム : http://www14.plala.or.jp/nakasuji_farm/

ナカスジファーム

大阪府富田林市西板持町2-11-21

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