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次郎さん流、夫婦それぞれ品目担当制
紆余曲折あり。次郎さんは、酸いも甘いも噛み分け、様々な現場をくぐり抜けてきた。現在は、120アールの農地でトマト、イチゴ、サニーレタス、ネギ、キャベツなど、以前より品目を絞り、生産にとりくむ。土づくりには、堆肥をおしみなく使い、農薬は極力避ける。可能なかぎり、完熟収穫。
大阪で農業をするメリットについて、流通経費が少なくてすむこと、新鮮なものを届けられること、消費者のニーズが肌感覚でつかめることをあげてくれた。「大阪のおばちゃんは、ストレートです」。美味しくなかった時は「先週のあんたの野菜、おいしなかったで」と言われるとのこと。美味しいときは「もちろん、めっちゃ褒めてくれます」と。
奥さんの聡子さんは、八尾市の出身。「よつ葉農業塾」の研修で知り合い、2015年、めでたくゴールイン。これまで1人でこなしてきた作業を結婚して2人で一緒にできることになったのか、と思いきや「夫婦それぞれ品目担当制でやっています。妻は、イチゴ。イチゴのことは、妻にきいてください」。
イチゴは、聡子さん。それでは聡子さんのご案内で、ハウスの中へ。イチゴ栽培に、聡子さんがセレクトした品種は「よつぼし」。種子繁殖型のイチゴなので、収穫後に親株を管理する必要がなく、親株からの病害虫の影響がない。よつぼしの名前の由来をきけば「甘味」、「酸味」、「風味」が揃って「よつぼし」級に「美味」しいから、だそう。
よつぼしイチゴは今後、道の駅での販売を目指す。「現在、丹精込めて育成中です」。2019年3月をメドに、イチゴ摘みもオープンする予定。お手洗いの整備も含め、やらないといけないことはたくさんある。
2018年、吉村農園も災害被害は大きかった。7月の豪雨で次郎さんのトマトが全滅。8月の台風20号、続く集中豪雨で、計3回水没した。災害を機に、畑の移転を決意した。目下、新しい場所にビニールハウスを建設している。もともと田んぼだった土地からは、耕すと大きな石がゴロゴロと出てくる。石を掘り出すところから、開墾開始である。
「うちは品目担当制なので、ハウスの組み立ても一人でやっています」。そう言いながら、飄々と作業する次郎さん。そう、次郎さんは、実に飄々としていて、素敵なのである。
「能勢にもっと新しい人が増えるよう、自分が経験してきたことを引き継いでいきたい」。大阪の最北に新規就農者が集まる理由。それは能勢に、地域外、非農家からの就農希望者を受け入れる仕組みや受け皿があることはもちろん、「自分もあんな風になりたい」と目指せる諸先輩の存在が大きいことを確信した。
取材日 2018/12/12
記 事 中塚華奈
写 真 柴田久子
- 氏名 / ふりがな
- 吉村次郎 / よしむらじろう
- 生年
- 1977年生まれ(41歳)
- 農家歴
- 15年 / 2004年より就業
- 前職 / 出身校
- アルバイト(POFA) / 大阪工業大学工学部応用化学科
- 組織名
- 吉村農園
- 役職
- 農園長
- 従業員
- 家族(ご本人+奥さま)
- 主な生産作物
- トマト、イチゴ、サニーレタス、ネギ、キャベツなど
- 正式な品種名
- トマト(桃太郎)、イチゴ(よつぼし)
- 耕地面積
- 120アール
- 特徴
- 夫婦が別の品目を担当。能勢の新規就農者の草分け。
- 理念
- ええもんをようさん作る
- JAエリア
- JA大阪北部
- 購入方法
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能勢町観光物産センター : http://www.town-of-nose.jp/article/?mode=show&seq=1
関西よつ葉連絡会、北摂協働農場、農民連
- SNS
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Facebook : https://www.facebook.com/nose.yoshimura/
吉村農園
大阪府豊能郡能勢町倉垣1380